こどもが頭を打った時の注意


こどもは危険を察知する能力が不十分で、体の割に頭が大きく、転んだときに手が出なかったりするので、頭を打ってしまうことがあります。
その際、次に挙げる1~7のような症状があれば、すぐに脳神経外科のある医療機関を受診する必要があります 。

  • 元気がなく、ぼんやりしていてすぐに眠ってしまう(意識障害がある)。
  • 吐き気や嘔吐が起こる。気分が悪く食事をとろうとしない。
  • たんこぶでは説明のつかない頭痛を訴える。
  • 会話がおかしい(会話の内容が混乱している、健忘がある)。
  • けいれんやひきつけが起こる。
  • 片側の手足の動きが明らかに悪い、しびれ(麻痺)を訴える。
  • はじめ軽度だった上記症状が、次第に悪化する。


経過観察のポイント

まず理解しておくべき原則は、出血の始まりはあくまで受傷時点と言うことです。

後から突然出血が始まるわけではありません。従ってもし出血があって、その勢いが激しければ、受傷後短時間(1~3時間)で症状が出現しますし、逆に受傷後無症状が長く続いているということは、出血していない可能性が高いことを意味します。このことから受傷後最初の1~3時間は特に注意する必要があり、6時間、12時間さらに24時間と時間が経っても元気なら、安心して良いと言うことになります。

その際、乳幼児では症状がわかりにくいので、

  1. 機嫌がよい。
  2. ミルクの飲みや、摂食量に変化がなく、普段通り。
  3. 元気に遊んでいる。
  4. 周囲に対する、こどもらしい注意や関心が充分ある。

といった状態が続いていれば、問題ないと考えて良いでしょう。逆に、最初に挙げた1~7のような症状が、途中から出てきた場合は、速やかに救急車で、手術の可能な脳神経外科を受診しなければなりません。

 頭を打った後、特に普段と変わりなく、症状のないこどもの大多数は、実際何の問題もありません。

むやみに恐れることなく、普段通りの生活をさせてみて、冷静にこどもの状態が普段と違わないか観察することが、結果的にはこどもを守ることになると言えます。